外資系企業は本当に年収が高いの?

巷で外資系企業の年収は日本企業より高いといった声を聞くけどそれホント?

実際、外資系企業の平均年収は800万円ほどで日本企業の平均年収の1.5倍ほどのようです。

私は、外資系企業の年収が日本企業より高いからくりは次の3つだと考えています。

クビになる確率が日本企業よりはるかに高い

日本企業は周知の通り終身雇用制を維持してきました。

今でも雇用を守るという考えが職場の共通の認識です。

日本もそうですが、ドイツもそうした労働者保護の考がえが強くて、労働者は法律で簡単にクビにできないように守られています。

これに対してアメリカの企業(もしかすると中国企業も同じ)は、人は変動費であるという考えが強いように感じています。ビジネスがなくなると当然ながらオペレーションや人も必要なくなるので、さようなら、という場合が多いと思います。

クビになる確率は統計上公表されていません。

しかし、たとえアメリカの企業であっても、日本の労働基準法などに基づいて日本で営業しなければならないため、アメリカ本国のように簡単に従業員をクビにすることはできません。

特に日本で存在感がある外資系企業は、そうした法律の違いを理解しているため、パフォーマンスが低い従業員に対して、その事実をデータやフィードバックで裏付けし、改善計画を策定し、パフォーマンスの改善があったかどうかを定期的にモニターします。

結果、高い目標を達成できない従業員は、法律に準拠した形でクビにすることができます。理屈として、会社がこれだけサポートしてチャンスを与えたにも関わらず、業務上、期待された成果を出せないため、残念ながら解雇させてもらいます、となります。

また、外資系企業の中には、日本の法律などお構いなしに、自国の考え方で人を採用し解雇する企業もありますので要注意です。

これは私見ですが、日本企業は個人のパフォーマンスを理由にして解雇するより、業績不振を理由として一定のグループ(例えば50歳以上)を解雇あるいは自主退職を促す、というパターンが多いと思います。

上記の考え方に基づくと、業績不振のケース以外では、外資系企業の方がクビになる可能性が高いということになります。

ちなみに、「ビジネスが縮小するからクビだ」、ということと、「能力がないからクビだ」、という比較において、世間で言われているほど外資系は「能力がないからクビだ」という例は多くない気はしています(私見ですが、10人に1人以下)。

日本企業の業績不振は構造的で、世界的にもアメリカ企業や中国企業に押されていることは事実であり、今後、このトレンドが変わる気がしません。

そう考えると、どちらがクビになるリスクが高いか能力に応じて決まると思います。

退職金がなく、福利厚生に差がある

これはちょっと難しいですが、一般的には外資系には退職金がなく、福利厚生が日本企業に比べて少ない、ということはあるかもしれません。

ただ、私のいたビッグ4と言われる超巨大会計事務所は、企業年金も出ますし(それもかなり良い額)、401K プランという退職積立プランにかなりお金を会社が入れてくれていましたし、アメリカでは公的保険ではないですが、会社の健康保険にも入っていました。

また、今の会社では退職金制度がない代わりに、ストック・オプション制度があり、退職してそれを売ることもできますし、そのままリタイアの年齢まで持っていても良いです。

これに対して、日本企業に勤めるもっとも大きな福利厚生は社宅とか住宅補助とか、住居関連の福利厚生だと考えています。

住宅補助は、ほとんどの外資系企業で期待できませんが、その分、給与が高く設定されています。

退職関連のベネフィットに関しては、日本企業はこれまでの年功序列や終身雇用を見直し、企業年金や退職金制度を削って長期に渡る企業債務を減らそうとしていますよね。

ですので、外資系企業は日本企業より待遇が悪いとは一概には言えないと思います。

また、外資系企業と行っても、従業員10人ぐらいのヨーロッパ企業の販売拠点、みたいな会社もたくさんあるので、そうした企業は退職金もなかったり、福利厚生が弱かったりする(そもそも従業員が少ないから規模の利益がない)場合もあると思います。

そもそも平均年収での比較が意味がない

外資系は、日本のように低い初任給から初めて、経験年数が上がるにしたがって、徐々に昇給や昇進していく、という仕組みではありません。

外資系企業の場合、基本的には即戦力を求めます。

なので、中途採用が主体で、入ってくる人も経験を積んでおり、スキルに応じて給与やボーナスを求めてきます。

また、外資系で年収は、年齢や勤続年数ではなく、ポジションやスキルで決定されます。

転職を重ねてポジションやスキルを上げてきた人の給与と、年功序列と終身雇用で決められた給与を比較するのは、あまり意味がないように思います。

まとめ

外資系の給与が高く見えるのは理由があります。

やりがいと高い給与を求めて外資系に転職してくる人はたくさんいます。

自分のやりたい事が明確な人は、それに専念させてくれる外資系に向いていると思いますし、それに見合った給与をもらうことも可能です。

もし、日本企業で働いていて自分の能力を試してみたければ、外資系をお勧めします。

外資といってもいろいろあるので、自分の能力や企業の実力をリサーチをして意思決定しましょう。

 

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