キャリアってどうやって作っていくもの?

 

グローバル企業でさえ、従業員がどうやってキャリアを作っていくのか教えていない場合が多い。

だからと言って昇進できないのは会社のせいだろうか?

結局、自分のキャリア構築の責任は自分自身にある。

まずは、自分の現在と未来を正確に見つめることから始めよう。

 

成長のスピードを早める方法

リサーチによると、キャリアにおいて成長する方法論はすでに明らかになっています。

70−20−10モデルを聞いたことはあるでしょうか?

自己成長は、70%は日常業務からの経験、20%は上司など他者から得られるアドバイス、そして残りの10%はフォーマルなトレーニングや教育プログラムから得られる、と言うことがわかっています。

このため、70%を占める経験のうち、どういった経験がもっとも早く効果的に自身の成長に寄与するかを理解することが、今後の成長のスピードを上げるうえで非常に重要です。

この投稿では、キャリア形成のステップについてお話しします。

現在を見つめ未来を決める

どこかに行きたくて携帯のアプリに行き先を伝えるとき、私達は必ず2つの情報をアプリに伝えてます。

1つは今の場所でもう1つは行きたい場所ですね。

精緻に現時点や目的地を規定するほど、より早く正確に目的地に達成するルートが表示されます。

皆さんの成長プロセスについても全く同じことが言えます。

つまり、キャリアにおける現在の姿と将来なりたい自分について正確に把握する必要があります。

言うのは簡単ですが、ほとんどの人は目的地をぼんやりとしか捉えていません(そういう私もそうでした ^^; )。

今出世(成功)している人達は、自分の今と将来をこのような形で具体的に定義することができたため成功したといっても過言ではありません。

正確に「現時点」と「目的地」を定義するためには、自分のエゴやプライドが邪魔をしないように、信頼できる上司や同僚あるいは外部アドバイザーから、自分の現在や将来の姿について客観的な視点が必要です。

矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、第三者からのインプットはあくまで参考に、最後は自分自身で決定するしかありません。

なぜなら、あなたのキャリヤの責任は組織や上司、助けてくれた同僚にあるのではなく、あなた自身にあるからです。

結局、自分のキャリアは自分で決めるしかない!

そこに行き着くアドバイスやツールは必要だと思います。

もし、自分でそれを考えて決めようと思っているなら、経験マップを活用してみてください。

経験マップを作成する

70−20−10モデルがもっとも効果的なキャリア形成のツールであると前述しましたが、70%の経験がキャリア形成を早めることは明らかです。

そのため、どういった経験が自分のキャリアに必要、でも今はそれが欠けている、ということを把握することが大事です。

また、どういった経験が「現時点」と「目的地」のギャップを最短で埋めることができるのかを知ることが大事です。

経験マップを作成し、定期的にアップデートすることをお勧めします。

経験マップは、キャリア形成のため、どういった経験を次の2年〜5年で得る必要があるかを明確にします。

経験には、「実用的な経験」「マネジメント型の経験」の2種類があります。

実用的な経験は特定の領域、例えばマーケティング、ファイナンス、生産ラインについて、引き受ければあなたの能力を実用的にさらに高めることができるような経験です(経験の幅を広げたあるいは深く掘り下げたケース)。

例えば、経理担当として、これまで単体決算しかやったことがなかった場合、連結決算を担当・経験することは実務的な守備範囲を広げることにつながります。

マネジメント型の経験は必ずしもマネジャーの経験を指すのではなく、難しい状況に直面しても、そうした状況をマネッジできた、といった経験です(より困難で会社にとってインパクトが高い状況をマネッジしたケース)。

困難な状況を乗り越えた経験があれば、会社に対してもどんな状況においても対応できる普遍的なリーダーだと示すことができるし、より大きくかつ重要なプロジェクトを任せてもらえる可能性が高くなります。

 

エキスパートに聞いてみる

自分が目指している分野で成功している人は、どうやったらその分野のトップになれるか知っているはずです。

経験マップを作成する上で、効果的に経験を積む方法について教えてもらおう。

エクスパートは社内だけではない

目指す分野のベストな人が会社の中にいるとは限りません。

もしあなたがCFOになりたいのなら、自社のCFOだけではなく、社外のCFOにも質問できる機会を探してみましょう。

仮にそういうチャンスがあったとしても、社外の人に自分のキャリアの話を聞いてもらうのは簡単ではありません。

業界の集まりや上司のツテ、可能な限り何でも利用して、その分野の専門家とネットワークを構築する努力が不可欠です。

昔と違い今は直接話を聞きに行かなくても、SNSから多くの情報が得られます。

SNSでLinkedinやブログをチェックしたり、オフラインの会がないか確認してみましょう。

どういった質問をすべきか?

エキスパートとの質問の機会があれば、以下のような質問をしてみましょう。

「これまでのどういった経験が、現在の経歴にもっとも大きな影響を与えたのでしょうか。」

「ご担当の分野で採用がある場合、候補者の履歴書の中でどういった経験をまず見て判断されていますでしょうか。」

「今のポジションを遂行するに当たって、もっとも重要なスキルや過去の経験について教えてください」

もし、近くにそういった人がいなくても、成功している人のブログや本がないか探して、上記のようなポイントで考えてみましょう。

経験を分類する

エキスパートに聞いたことの全てがあなたのキャリアに利用できる訳ではありません。

すでに知っている情報だったり、意味が分からなかったり、他の誰かがアドバイスしてくれたことと矛盾した内容だったかもしれません。

経験マップを作る上では、得られた情報を自分なりに解釈し、キャリアを達成するために必要と思われる「次のステップに必須の経験」を選び出すことが大切です。

「次のステップに必須の経験」は、例えば、このような感じです。

「新しい生産ラインをローンチした」

「ビジネスの方向転換の際に大きなチームを率いた」

「あるビジネスユニットの財務報告を最初から最後まで担当した」

これらを達成したことは組織にとっても大きなインパクトがあるものです。

経験マップを作成する際には、以下の3つの経験を考えてみましょう。

ライフ・サイクル別の経験

プロダクトのライフ・サイクルに基づく経験、例えば、事業再生下、スタートアップ期、通常期、マーケット拡大期、成熟マーケット期など。

例: 経験マップの作成において、通常期のセールスをすでに経験している場合、今後は新製品のスタートアップのセールスを経験してみる、など。

マネジャーとしての経験

成績の悪いチームの改善、大きなチームのリード、小さなチームのリード、影響力を与えることができるが報告ラインにいないチームのリード、マトリックス組織のリード、政治的に難しいチームのリードなど。

例: 経験マップの作成において、2〜3人のチームのマネジメントは経験しているが、10人程度の大きめなチームのマネジメントを経験してみる、など。

地域的な経験

現在の地域の経験、地域外の経験、本国以外の経験、リージョンのマネジメント、言語や文化の違うチームの経験など。

例: 日本のチームは担当したので、今度は小さくても海外のチームを担当する、など。

上記のような経験の分類を参考にしながら、経験マップには、4−7つの「実用的な経験」を取り入れ、3−4つの「マネジメント型の経験」を採用します。

 

最後に

個人の経験マップは、あなたの成長の道標として継続的に見直します。

それほど頻繁に見直す必要はなく、転職したタイミング、あるいは、少なくとも1年毎に自分の現実と理想のギャップを見つめて、必要な軌道修正を行っていきましょう。

注意点は、最初から完璧なものを作らないことです。

70点ぐらいのものを作って運用を始め、何らかの気づきがある毎に見直しながら、自分のモチベーションを維持しつつキャリア形成に取り組むのがオススメです。

 

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