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Googleの求人事情
毎年、グーグルにはおよそ300万件の応募があり、この会社のポジションにチャレンジしてみようとする人に取っては、競争相手の多さにびっくりするかもしれません。2021年7月時点でグーグル(Alphabet)には約3,900件のオープン・ポジションがあります。
以下は、グローバルで上位5つのオープン・ポジション、日本全体のオープン・ポジションのサマリーです。
この記事を読んでいるあなたは、これからGoogleでのポジションにチャレンジしようと考えている方、あるいは、すでに書類選考に通って面接を待っている候補者でしょうか。
他の候補者より優位に立つためにはどうすればよいのでしょうか?
この質問の対策をすれば必ずパスする、という保証はありませんが、過去の傾向をみて対策をすることは非常に大事です。
Googleの面接の傾向
これから、面接での回答例をいくつかご紹介しますが、その前に、どのように質問に答えるべきかを少し説明します。Googleは奇妙な質問をすることで知られており、そうした質問は、ポジションへのフィットを確認する質問というより、地頭の良さを確認する(あるいはフェルミ的発想―詳しくはこちら)といったいわゆる外資系コンサルで出題されるようなものが多いように思います。
例えば、
ピアノの調弦ができる人は世界に何人いますか?
このような質問は候補者に大きなプレッシャーでしょう。
結局、会社はこうした質問が採用者の質を高めることに必ずしもつながらなかったということで、ランダムに難しい質問を行うことをやめたようです。関連記事はこちら(英語のみ)。
一方、こうした質問がまったくされないかというと、ある程度地頭が必要とされる質問は実施される場合もあるようです。直近の質問についてはGlassdoorなどのサイトで候補者が開示している場合もあるので、一度はチェックしてみましょう。
Google面接―対処の方向性
他の応募者に差をつけるためには、リサーチが欠かせません。採用担当者が何を求めているかを把握し、それを効果的に回答に盛り込むことが必要です。当然、応募するポジションのジョブ・ディスクリプション(求人票)は読み込み、要求される資質をレジュメや面接の回答に反映させます。
また、会社のミッションやバリュー・ステートメントを確認することで、すべての回答にもう少し個性を持たせることができます。その企業のメンタリティ、優先順位、考え方などを知ることができ、回答に織り込むためのちょっとしたヒントが得られます。
Googleの面接の場合には、Googleの企業戦略「Googleが掲げる10の事実」を理解して、面接に反映させましょう。
また、面接の準備のために、ソーシャルメディアを活用して最近の業績を調べてみましょう。ニュースを検索すれば、面接の際に役立つ情報を得ることができます。
他の会社の面接と同様にSTARメソッドを活用しましょう。STARメソッドは、面接の質問に答えるための実証済みの方法であり、面接で説得力のある説明をするのに役立ちます。この方法を自分のスキルや能力に合わせて使うことで、より効果的になります。
採用の公式サイトでも方向性が書かれていますので、ご一読ください。
開発者向けインタビューの概要
今回の投稿では一般的な面接プロセスをカバーしているため、ソフトウェア開発者向けの面接プロセス全体は別の記事や動画を参照してください。
開発者向けの面接は完了するまでに2〜2.5か月かかると言われており、ソフトウェア開発者向けのGoogleインタビューは、合計5〜7回のインタビューで構成されています。 これには、Googleの採用担当者との最初の電話スクリーンと、それに続くさまざまなGoogleの従業員への4〜6回のオンサイト面接が含まれます。 コーディングの課題はすべて、ホワイトボード、Googleドキュメント、またはChromebookで行われます。
Googleは通常レベルT3で採用し、T11が最高位のレベルです。 T3は、学部または修士の学位を持つエントリーレベルのフルタイムのソフトウェアエンジニアで、T3従業員の平均給与は年間117,000ドルです。 Googleは、Java、C ++、C Go、Pythonのプログラミング言語を好む傾向があるようです。
Googleの面接で聞かれる質問トップ5
ここで、注意していただきたいのは、Googleの面接で聞かれる質問は募集の職種によって異なるということです。ソフトウェアエンジニアに、オペレーションマネージャーを採用するときと同じ質問をするわけではありません。
今回は、職種に関係なく共通して質問されると思われる質問を選んで載せてみました。
好きなGoogleのプロダクトは何ですか?何が改善できますか?
Tips
これは、あなたがGoogleの製品やサービスにどれだけ精通しているかを見るための質問です。あなたがGoogleにどれだけ熱意を持っているかを見せるチャンスです。1つ以上改善のアイデアを用意できれば、どんな答えでも間違いはないと思います。
逆に、この質問への答えが用意できていないと、採用されることは難しいと思われます。
回答例
私の好きなGoogleのサービスは何と言ってもYouTubeです。人々が自分の考えや才能、ヒントを動画ですばやく、手軽に見ることができるので、私自身、何らかの疑問に対する答えを見つけたり、新しいスキルを身につけたりするために幅広く利用しています。
何か一つ改善できる点を挙げるとすれば、視聴者の方でビデオが推奨される優先度を変更できる機能を開発します。
例えば、1つの動画がクリックされると、実は興味がなかったコンテンツであっても継続的に推奨されてしまうことがあります。私の興味があるコンテンツから違うコンテンツに移ったにもかかわらず、過去の履歴に基づく推奨が継続することがあります。
これを解決するため、YouTubeに「フィードバック」機能を追加して、視聴者が元のコンテンツを見た数秒後に、表示された類似コンテンツが嗜好にあっていない場合、変更のフィードバックができるようにすればより使いやすくなると思います。
Googleの競争相手は誰でしょうか?
Tips
この質問は、あなたが主要な競合他社をどれだけ知っているかを知り、論理的に対処すべき手段を説明できるかを判断しようとしています。製品やソフトウェア開発者の職種では特に重要ですが、ビジネスの理解度を示す上でもそれ以外のポジションへの応募者も何らかの見解を持っておくべきです。
回答例
Googleにはいくつかの主要な競合他社があります。Googleのビジネスは主に広告に基づいていますが、Facebook、Twitter、Microsoft(Bing)、Amazon(Adの部分)などの会社と競合しています。広告ビジネスであるFacebookは、おそらくGoogleの最大で直接の競合相手です。
ユーザーは、必要なものを探すために、ソーシャルメディアやEコマースサイトにより多くの時間を費やしています。Googleが競争で優位に立っている理由は、検索エンジンを独占し、Youtubeで動画配信をリードしていることであり、それらによって広告につながるトラフィックが増加していることです。
このため、競合他社が苦手とする検索関連コンテンツへの投資が今後も競争上の優位性を維持するキーになると考えます。
日々の業務でどのように説明責任を果たすべきでしょうか?
Tips
Googleは自立性のある会社として、従業員それぞれが責任を持ち、自律的に活動して結果を追求することを期待しています。このため、チームが機能するためには、従業員が自分の業務に責任を持ち、チームプレーヤーとして他のメンバーと協調して働きながら、与えられた業務範囲の説明責任を果たすことが求められます。
回答例
私は常に説明責任を最優先に考えています。私は、すべての対応中の課題とその期日をチームに公開し、チームメンバーが私が何をどのように実施しているかがすぐにわかるようにしています。進捗管理ツールを利用してプロジェクトの各ステップをマイルストーンを設定して管理しています。
同僚との関係については、Slackを通してオープンコミュニケーションを心がけています。メンバーは私のキャパシティーを把握しており、いつ対応可能かが一目でわかります。毎週、スクラムミーティングを開催して進捗状況をすり合わせ、優先順位に応じてメンバー間で仕事を移行します。また、他のメンバーがタイトな納期や過剰な仕事に悩んでいる場合にはサポートを提供することを心がけています。
なぜGoogleで働きたいのですか?
Tips
あなたがGoogleで働きたい理由が、有名な会社だからとか、無料の食事がでるからとか、面接の回答としては好ましくないのは事実です。
たとえそれが本当に1つの理由であっても、この会社で実現したいことではありませんよね。Googleが目指す方向性、あなたが応募しているポジションにあなたのスキルにマッチしている理由、あなたのキャリアにとってどれだけ関連性があるのかについて説明します。
この質問は、あなたが会社を理解していること、そしてあなたがもっとも最適な候補者であることを示すチャンスです。
回答例
Googleは常に新しいデバイスやアプリを送り出しています。チャレンジしている社風が私は大好きです。私は過去にたくさんのアプリの開発に取り組んできましたが、多くは広告のCPAを高めるためにコンテンツと整合性をチェックするアルゴリズムを主体としています。
広告とコンテンツとの関連性を見出すアルゴリズムについてGoogleは業界で一番だと考えており、私のスキルでアルゴリズムにフィードバック機能を組み込むことによって、より精度の高いアルゴリズムを開発できると考えています。私自身も学ぶことが多いと思いますが、関連性の精度向上という点では私のスキルをもってすれば、今後の開発のスピードを上げ、チームに新しい視点からのアイデアをもたらすことができると思います。
大きなリスクを取って失敗したことはありますか?
Tips:
Googleはイノベーションの会社であり、リスクを取らずにイノベーションは実現しません。新しい機会を見つけ、そのリスクを評価する能力、そしてそれを追求する意欲はすべて、Googleが必要とする資質です。失敗しても、次の取り組みが成功する可能性を高めるために、どうやって学んできたかという姿勢も大事です。
回答例:
3年前、私は全社で使っていたウイルス対策ソフトを更新期限が来る前に、新しいものに切り替えるようにチームを説得しました。リスクとしては、全社の更新の切り替えにはかなりの工数が必要であること、これを行うと更新期限が来る前に切り替え作業が終わらないリスクがありました。当時、スパイウェアなどの被害が多発し、時間とコストをかけても対策がしっかりしているソフトを導入することは明らかで、古いソフトをもう1年使い続ける選択肢はないと判断しました。
結局、切り替え作業は更新期日までには終了せず、両方のソフトウェアにお金を払うことになりました。新しいソフトウェアの方が優れており、二重のコストがかかってもベネフィットはあると思います。しかし、今回の教訓は、ソフトウェアの更新期日を網羅的に把握し、更新すべきかどうかの内部的レビューの手続きが抜けていたことが原因でした。この件の後、すべてのソフトウェアの更新期日を棚卸し、システム上自動で十分な期日前に判断するセッションが要求されることにしました。それ以降は、こうしたエラーはまったくなくなりました。
面接の最後に聞くべき5つの逆質問
面接官の質問に答え終わったら、必ず逆質問をしましょう。これは、最初の質問リストで取り上げられなかったことをカバーする機会であると同時に、そのポジションが自分の求めているものであるかどうかを見極めるためのものでもあります。また、面接の最後で気を抜いてはいけません。この時間こそが自分が最も会社とポジションを理解した採用されるべき候補者であることをアピールします。Googleの面接の最後にするとよい5つの逆質問を紹介します。
- Googleで働いてみて、入社したときに驚いたことはありますか?
- Googleが直面している最大の課題は何ですか?その課題を解決するために、この役割はどのように役立ちますか?
- このポジションで成功している人たちの共通点は?
- このポジションの典型的な一日はどのようなものですか?
- この仕事で成功はどのように定義されるものでしょうか?
- 一緒に仕事をするチームメンバーはどのような役割を持っていますか?。
他にも面接でチームやポジションの話がでて、新しく生じた疑問などについて質問するのも良いと思います。しかし、なぜその質問をするのか?ということをよく考えてましょう。興味本位で聞くのではなく、論理的な質問を心がけます。
逆質問に関してはこちらの記事も参照してください。
その他の面接で聞かれる質問
- Googleの歴史について知っていることを教えてください。
- YouTubeのビジネスモデルを強化する方法を教えてください。
- あなたが失敗した時のことを話してください。どうやって挽回しましたか?
- GoogleはGoogle Docs、Google Sheetsなどの無料のアプリに課金すべきだと思いますか?それはなぜでしょうか?
- Gmailアカウントを設定する際に、法律上の名前を使用することを義務付けるべきだと思いますか?
- 今後5年間で、デジタルマーケティングはどのように変化していくと思いますか?
- 過激な動画がYouTubeに流れてきた場合、どのように対処すべきだと思いますか?
- あなたと上司が対立したときのことを教えてください。最終的にどのように問題を解決しましたか?
- 6歳の子供にCloud computingを説明してください。
- もしあなたがGmailのユーザー数を増やす仕事につくなら、どのような施策を実施しますか?
- Googleの検索ページが空白になっているのはなぜだと思いますか?
- 現在、Googleが直面している最大の脅威は何でしょうか?
- Googleの投資が少ないと思われる分野について教えてください。
結論
面接では当然緊張しますし、難しい質問を受けるかもしれません。この記事で紹介されているヒントを利用すれば、準備を行い、成功する可能性を高めることができます。
狭き門であることは確かですが、STARメソッドなどを使って準備をしておくことでベースとなる回答は合格点を目指せると思います。
恐れずにチャッレンジしましょう!