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エレベータートークとは
わずか数秒の間に、あなたは自分がどのような人間であるかを効果的に説明できるでしょうか?!
あなたがあるセミナーに参加したとします。横に座った人が質問してきました。
「このセミナー参加するの初めてなんですけど、毎回来られている方でしょうか?」
もしかすると、これはあなたの人生を変える重要な出会いかもしれません。しかし、この人と何らかの形でつながりを持つまでは他人の一人にすぎません。
そこで使えるのがエレベータートーク(あるいはエレベーターピッチ)です。
そもそもエレベータートークは、エレベーターで会社の重役とたまたま乗り合わせた時、重役が降りるまでの短い時間に効果的に自分のアピールを行うテクニックを指してこのような名前がつけられました。
つまり、エレベータートークとは、あなたがプロフェッショナルとしてどのような人物であるかを、簡潔に、有益に、そして説得力を持って話すものです。
エレベータートークを意識するメリット
エレベータートークに慣れれば慣れるほど、そのメリットを実感することができます。
- 人との出会いのチャンスを生かすことができる
- 自分のキャリアを深く考えさせられる
- 自分の目標に対するフィードバックが得られる
- 仕事を得る機会が増える
- 面接の自己紹介に使える
将来、出会いのチャンスを生かすことができるようになります。短いチャンスに遭遇したとき、もうぐるぐると考えを巡らす必要はありません。さりげなく自分のことを伝え、連絡先を知らせる方法が身につきます。
エレベータートークを意識し、練習することで、自分のキャリア、自分が何者で、どこに向かっているのかを深く考えさせられます。目先のことに追われていると、自分がどこに向かっているのか、立ち止まって考えることができないことがよくあります。エレベータートークは、考えをシンプルにまとめる手助けをします。
エレベータートークには、あなたが向かっている方向性を入れる必要があります。あなたが将来の目標を語るとき、他人があなたの目標をどのように見ているのか、肯定的なのか批判的なのか、反応をみることができます。明らかなフィードバックが得られないですが、リアクションは必ず得られます。自分のキャリアを評価していく上で非常に参考になると思います。
最後に、エレベータートークをうまく使えば必然的に仕事の機会が増えます。就職や転職を考えている人も、このテクニックを応用することによって、効果的に採用する人たち(例えばヘッドハンターや人事担当者)にアプローチすることができます。後ほど面接の自己紹介についての例を紹介します。
良いエレベータートークの要素
エレベータートークに正解はありませんが、良いエレベータートークには一定の要素があります。
- シンプルであなたを表すキーワードがある
- あなたの経験、現在、将来の方向性が含まれる
- あなたの価値、提供できるソリューション、熱意が伝わる
- 情報量は名刺よりも多く履歴書より少ない
- 次につながる流れがある
シンプルであなたを表すキーワードがある
エレベータートークのような状況では、もしかすると15秒〜30秒しか時間がありません。就職・転職の面接における自己紹介は数分時間が与えられる場合がありますが、何人も面接している面接官はまずあなたの要点を知りたいと思っています。
あなたは短い時間であなたが誰かということを相手に伝えなければなりません。
もしあなたがキーワードを先に話さず、ひとつひとつあなたの仕事を話し始めると相手はポイントがわからず困惑するでしょう。
たとえ、若干の語弊があっても、シンプルに相手に伝わるキーワードをまず教えてあげましょう。次に、あなたの経験、現況、そして将来の方向性を話せば、相手はキーワードの意味を正しく理解してくれます。
あなたの経験、現在、将来の方向性
あなたを表すキーワードを補強し、説得力のあるストーリーを15秒〜30秒で伝えるためには、あなたの過去(経験)、現在、未来を話します。ロジカルな順序で話すことによって相手が非常に聞きやすくなるはずです。
あなたの価値、提供できるソリューション、熱意が伝わる
相手の立場からみて、あなたがどのような価値を持つのか、提供できるソリューションは何か、また、そのソリューションにどのぐらい熱意を持って取り組んでいるのか、という要素が入っていれば、より相手とつながれる可能性は高まります。
しかし、相手を意識しすぎるあまり、あなたの価値、ソリューション、熱意を強調しすぎるとかえって逆効果の場合があり、相手はセールスを受けている、と思われる可能性が高まります。
理想的なのは、あなたの経験、現在の状況、今後の方向性を相手に関連付けて調節することで、あなたの価値、ソリューション、熱意がさりげなく伝わることです。
情報量は名刺よりも多く履歴書より少ない
あなたについての説明を15秒から30秒で行うことは、厳選された言葉による名刺だと考えてください。
情報量は履歴書よりも少ない必要がありますが、エレベータートークでは履歴書では読み取れないあなたという人間を言葉によって表現することにより、相手にあなたのことをもっと知りたいと思わせるきっかけになります。
次につながる流れがある
エレベータートークには直接的なセールストークにするべきではありません。最終的には、あなたを売り込むのですが、エレベータートークの目的は次(のアクションや言葉)につなげることです。
相手が15秒や30秒で相手があなたを受け入れ、何かを買ったり重要な意思決定をする可能性は低いと思います。
もし、重役に対して何かの提案を受け入れてもらいたいなら、そこで何かを決めてくれとセールスするのではなく、まずは興味を持ってもらい、次の会議の議題にしてもらうなどの次につながる提案をいれましょう。
面接の際には、あなたという人間を端的に表現し、過去、現在、未来を流れるように説明し、この会社のこのポジションに応募した理由が自然と明確になる(腑に落ちる)ように説明します。
エレベータートークを面接に応用した具体例
カスタマー・サービス・マネジャーの例
「はじめまして、私は通信系企業の○○でカスタマー・サービスのチーム・マネジャーをしています。大手通信会社をサポートするチームに所属し、入社2年後に新入社員の教育を担当するチーム・リーダーになりました。入社4年目には、教育した新入社員のクオリティーの高さを評価され、15名のオペレーターを監督するチーム・マネジャーに昇進しました。私のチームはカスタマーの高いクオリィーに関する要望に答え続けることをモットーとしており、顧客満足度が過去2年間95%と全社平均の90%以上を維持しております。外資系のカスタマーにもクオリティーを高く評価されており、こうした経験を御社でも活かして行きたいと考えております。」
店長から営業管理への転職の例
「関東圏で居酒屋チェーンを展開する○○で店長業務に従事しております。以前は、都内のレストランで仕入・発注・在庫管理などの管理業務を5年ほど行っていました。〇〇にはレストランでの管理経験を買われて3年前に店長として採用されました。店長就任後は、パートやアルバイトを含む従業員の満足度向上に注力し、私が店長就任当初は1年定着率が60%ほどであったものが、3年後には90%を超えるまでに回復し、売上も毎年10%以上伸ばすことができました。この経験により従業員が満足であればお客様の対応も良くなり売上が上がるということを肌で実感しました。こうした経験を活かして、御社ではチーム・エンゲージメントを高めて顧客満足度の高い営業により売上の向上を目指したいと考えております。」
まとめ
エレベータートークを使って、シンプルにあなたの経験、現在、将来の方向性を伝えることによって、あなたの価値や熱意が伝わります。
次のアクションや質問につながる説明を心がけましょう。
面接の場合は、応募した会社の求める人材に合致した職歴をエレベータートークを使って端的に話します。
私はこんな人ですということを1~3分程度で端的に伝えて、流れの良い面接をこちらから意識してみましょう。