「どうすれば部下から良い結果を引き出せるだろう?」
から
「どうすればメンバーを成長させることによって良い結果を引き出せるだろう?」
と考えを変化させることによって、人を育てるマネジャーへと進化します。
マネジャーの役割:人を育てる
マネジャーの役割は人を育てる、と矛盾するように聞こえるかもしれませんが、
キャリアのオーナーはあくまで各個人にあります。
「マネジャーが昇進させてくれるものじゃないの?」と思っている人も多いと思うのですが、目標を設定して、努力して、足りないところをサポートしてもらう、というのがあるべきキャリアの作成ステップになります。
マネージャーは各人のキャリアの方向性を尊重し、サポートすることが求めれます。
外資系企業はスキルを持つ優秀な人材を中途採用してますが、優秀な人材は常に学びたいという姿勢を持っていて、他の優秀な人達とスキルを磨きながら働きたいと考えています。
マネジャーは優秀な人材を採用し、時にはちょっとハードルの高い課題を与え、適時フィードバック、コーチングやメンタリングを実施しながら、部下の成長に繋げます。
人を育てることができるマネジャーは、共通して以下のよう4つの資質を持っています。
人材を発掘し、雇用し、移動させる
優れたマネージャーは、社外からまた社内からも多様な人材を見つけてきます。
積極的なネットワーキング、外部人材斡旋会社からの情報提供、社内の公募制度、社内コミュニティ、ソーシャルネットワーキングなどの募集サイトなどを使います。
さらに、優れたマネージャーは優秀な部下を自分の下においておくだけではなく、社内で別の部署に部下のキャリアプランに適したポジションがあった場合、別のチームへ移動させることも厭いません。
本当なら手元に置いておきたい優秀な人材でも、自分の影響下にその人が活躍(ほとんどの場合昇進)できるポジションがない場合もあります。
社内でくすぶって働かれたり、あるいは他社に転職されるよりは、もし社内で良いポジションがあるならば、自分のチームでもう1年頑張れ、というよりは他チームを勧めてみましょう。
継続的な成長をサポート
優れたリーダーは、すべての人のキャリア形成を偏見なく支持し、継続的にサポートします。
定期的にキャリアに関する面談を開き、部下の強みや次のステップに向けて強化すべきポイントについて部下と一緒に考えます。
また、優れたリーダーは、部下にメンターをつける、コーチをつける、また新たな課題を通して社内ネットワークの別な人材と接する機会を与え、視野を広げる手助けを行います。
今のポジションと次のポジションのギャップについて話し合いましょう。
ギャップが明らかであれば、それに向かってモチベーションを保ったまま努力することができます。
優秀な人材を確保し成長させる
熟練したマネージャーは積極的に優秀な人材を見つけ出し、成功するための機会を与えます。
外資系では今の業務で優秀である人材が次のステップで成功できるとは限らないため、そうした人材が成長し昇進するために、次のクラスでも十分な結果を出せるといういわばテストが必要になります。
テストと言っても今の業務より少し大きい仕事や困難なプロジェクトなどの課題を与えることです。
マネジャーはそうした人材と親密に連携して、自律的に課題に取り組ませ、タイムリーなフィードバックで成功に導きます。
ハードルを上げる
優秀な人材を育成しているマネージャーは、パフォーマンスの基準を下回っている、または下回る傾向にある部下に対して、明確でタイムリーなフィードバックを行います。
結果が求められる外資系企業では、パフォーマンスが向上しない部下に対して厳しいコーチングや改善プランなどを積極的に行う必要があります。
まとめ
人を育てることはマネジャーのもっとも大切な役割の一つです。
業務が大変なのはわかっています。
キャリア・プランのオーナーは個人であり、マネジャーではありません。
キャリアはこうあるべき、とマネジャーの考えを押し付けてはダメです。
やりたいことが見つからない部下には、辛抱強く聞いて方向性を引き出してあげます。
昇進がキャリアだと思っている部下には、昇進以外の視点も示してあげましょう。
マネジャーから、部下にキャリアプランの大切さを伝えて、自発的な行動を促しましょう。
マネジャーは部下と一緒にキャリア・プランを定期的にレビューしてサポートしましょう。