マネジャーに必要なのはIQではなくEQ

マネジャーに求められる感情的な知性

知能指数(IQ: Intelligence Quotient)は用語として一般的ですが、別な概念で感情指数(EQ: Emotional Quotient)あるいは感情的知性(EI: Emotional Intelligence)があります。

マネジャーに必要なのは、頭の良さでしょうか、経験の長さでしょうか、それとも結果を出す力でしょうか?

もちろん、全て必要ですが、人をマネッジ(マネジャーですから)する点からは

エモーショナル・インテリジェンスすなわち感情的な知性が必須です。

EQ(EI)は自分と他の人との人間関係やつながり方のうまさ·知性·心の知能指数を指します。

EQがあれば、他者への理解が深まり、良好な人間関係が構築されるため、チーム管理がより効果的になります。

チーム・メンバーは上司(マネジャー)をどう捉えているでしょうか?

メンバーは自分が尊重されている、理解されている、大切にされていると感じると、仕事への意欲や生産性が向上し、定着率も高まります。

ある調査では、上司が高いEQを持っている場合、70%の従業員が5年以上同じ職場に留まることが報告されています。

 

マネージャーに必要なEQスキル

感情的な知性とは、私たち一人ひとりの中にある無形の感情です。

残念ながら、EQの世界共通の物差しはありません(様々なツールはあります)。

ここでは、マネージャーとして必要なEQスキルを4つ紹介します。 

セルフ·アウェアネス(自己認識)

自分のことをどのくらい知っていますか?

自己認識とは、自分の価値観や長所、短所など、他人から見た自分をどれだけ知っているか、というスキルです。

優れたリーダーは、自分の長所だけでなく、短所や限界も自己認識しています。

例えば、仕事を任せるのが苦手なマネージャーは、その欠点を自覚した上で意識的に仕事を任せるようにし、仕事を任せる人への信頼を示すことができます。

セルフ·コントロール(自律管理)

セルフ·コントロールは自制心です。

生産的で健全な方法で自分の感情と行動を管理する能力であり、ある状況が自分の感情に与える影響を認識できることです。

自分を整えるということは、ストレスの強い状況下でも、自分の行動を適切に調整できるということです。

感情や気分は伝染するもので、自分だけでなく、周りの人にも影響を与えます。

マネージャーはストレス下でも自制心を持ち感情をコントロールすることによって、チームが心を許して話す環境を作り出します。

結果として、従業員が最高の能力を発揮し、最高のアイデアを職場にもたらすことを可能にします。 

ソーシャル·アウェアネス(社会的認識) 

セルフ·アウェアネスに加えて、有能なマネジャーは、共感力を持ち、同僚の感情や考え方、チーム内の力学を認識できます。

例えば、あるプロジェクトのアサインを優秀なAさんに与えようと考えている場合、その決定の通知が、チームで2番目に優秀なBさんにどのように影響するか理解できるということです。

他者を認識するということは、彼らの感情やニーズ、スキルや好みなどの多様性を知ることであり、それによってより効果的なコラボレーションが可能になります。

リレーションシップ·マネジメント

別な言い方をするとコラボレーションのスキルです。

EQが高いリーダーは上手に人間関係を構築し、相手の可能性を最大限に引き出し、インスピレーションを与え、モチベーションを高めます。

また、EQが高いリーダーは、協調的なコミュニケーターです。

グループの雰囲気を即座に察知し、その雰囲気に合うように、あるいは対立を緩和するように、正直に、誠実に話すことができます。

協調的なソーシャルスキルを習得するには、良いことも悪いことも、ポジティブなニュースも困難な状況も伝えられる力が必要です。 

 まとめ

 

マネジメントには感情的な知性が必須です。

マネジャーは、自分を理解し、自分の感情をコントロールし、自分のチームを理解し、チーム外の人とコラボレーションする共感力やスキルを持っています。

EQを得るのは決して簡単ではないですが、日々意識することによって高めることは可能です。

Listening isn’t simply hearing the words. Listening is hearing the meaning behind the words.

 – Simon Sinek

相手の言動の裏にある意図に耳を傾けてみましょう。

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