今日、Eメールは、もっともポピュラーなビジネス・コミュニケーションのツールとなっています。
良いメールは成功につながりますが、悪いメールはビジネス失敗にもつながりかねません。外国人と英語のビジネスメールにおいて、メール作成のルールを理解せずにやりとりしている人を見かけます。
この投稿では、適切な英文ビジネス・メールの形式や書き方を説明します。この投稿を読んで失敗しない英文メールを作成できるようにしましょう。
目次
英文メールのスタイルを理解する
フォーマルなスタイル
数年か前までは、プロフェッショナルなビジネスメールはほとんどがフォーマルなスタイルで送られていました。あなたも、ビジネスメールはフォーマルなスタイルで書くように教わったことがあるかもしれません。
フォーマルなメールの問題点は、やはり堅苦しく聞こえてしまうことです。ある程度の関係性ができれば、海外の人はカジュアルなやり取りを好む場合が多いです。
近年は、プロフェッショナルなビジネスメールであっても、カジュアルでインフォーマルなメールスタイルが好まれる傾向があります。
インフォーマルなスタイル
会社のカルチャーにもよりますが、組織や役職を重んじる歴史のある会社ではフォーマルなスタイルを好む場合が多いようです。そうした会社であっても、メールがフォーマルでなくてもよさそうな兆候をいくつか紹介します。
- その会社から送られてくるメールはほとんどの場合カジュアルである。ただし、権威のある人とのメールのやり取りには注意してください。
- “Mr Smith”といった宛名に対して、相手が”Please call me John “と言ってきたような場合
- 取引先であっても、相手をよく知っている場合
受信者に応じてスタイルを使い分ける
前述したように、ビジネス用メールには大きくフォーマルなものとインフォーマル(カジュアル)なものがあります。
特定のビジネスメールは、フォーマルなスタイルで構成する必要があります。あなたが受信者をよく知っている場合は、それほどスタイルにこだわってメールを構成する必要はありません。
選択したスタイルによって、メールの最初と最後が決まります。また、カジュアルさといった言葉のトーンを決定することもできます。
以下、どういった場合に、フォーマルあるいはインフォーマルのスタイルを使用するかについての一般的なルールです。
フォーマルなスタイルを使用する場合
- 組織全体に何かを周知する場合
- あなたが受信者をよく知らない場合
- 上司や先生など、権限のある人にメールを送信する場合
インフォーマルなスタイルを使用する場合
- 組織がカジュアルなコミュニケーションを推奨している場合
- 同僚などあなたがよく知っている受信者
- ある程度取引や関係のある友好的なビジネス・パートナー
- ビジネスの関係であるがプライベートでも関係がある受信者
外国の企業、あるいは、外資系の企業などでは、カジュアルなメールのやりとりが推奨されている場合がほとんどです。
そのため、会社で何が受け入れられているかを知ることが重要です。どちらが良いかわからない場合は、フォーマルなスタイルを使用する方が安全です。
ビジネスメールの構造を理解する
メールのスタイルが内容や表現の違いを生みます。正しいフォーマットで作成されていないメールは、印象を悪くする可能性があります。優れたビジネスメールには、少なくとも次の部分が含ます。
- 件名(Title)
件名は、読者に表示されるメールの最初の部分です。読者は件名を見てメールを今すぐ開くかどうかを判断します。件名を短く(6〜10語)具体的にすると、メッセージが効果的に伝わります。
- 敬称(Salutation)
敬称はMrやMsなどを差します。フォーマル、インフォーマルによって敬称を使い分けます。インフォーマルな場合にはファースト・ネームで呼びます。問い合わせなどで、相手がわからない場合に、”Dear Sirs”などを使う場合もあります。
- 本文(Message)
本文はメールのメインメッセージを伝えます。わかりやすくする場合は、箇条書きまたは番号付きリストを使用してください。本文の最初の数行でメールの内容を説明します。最後の数行は、ビジネスメールを要約した結論を描きます。
- 署名(Signature)
署名はメールの最後に付ける自分を表す情報になります。受信者に応じて、あるいは自分の立ち位置に応じて、署名を切り替えても良いと思います。あなたの名前、所属、連絡先など、相手が必要とする情報がまとまっていると、相手に良い印象を与えることができます。
明確でプロフェッショナルなメール
私たちは毎日大量のメールを送受信しており、そもそもメールは誤解される可能性もあるため、明確かつ簡潔に書くことが重要です。これは英文でメールを書く場合にも当然あてはまります。
英文のメールに限らず、プロフェッショナルなメールに仕上げるためには、ポイントを押さえて端的に書く必要があります。そうすれば、メールに費やす時間を短縮し、生産性を高めることができます。
とはいえ、明確な文章を書くのはスキルが必要で、他のスキルと同じように、努力しなければなりません。ここでは、適切な英語のビジネスメールを書くための5つのルールをご紹介します。
メールの目的をはっきりさせる
明確なメールには、必ず明確な目的があります。
メールを書くときには、必ず数秒かけて自分に問いかけてみてください。なぜこれを送るのか?受信者から何を求められているのか?”
これらの質問に答えられないのであれば、メールを送るべきではありません。自分が何を必要としているのかを知らずにメールを書くことは、自分と相手の時間を無駄にするだけでなく、自分の意見を明確かつ簡潔に表現するのに苦労することになります。
相手の手間を考えて絶対に必要なメールだけを送るということは、相手を尊重することでもあります。
1つのメールには1つのメッセージ
電子メールでは内容は手短で少ないメッセージが効果的です。
そこで、1つのメールには1つのメッセージに絞るというルールを実践するといいでしょう。
別のプロジェクトについても伝える必要がある場合は、別のメールを書いた方が相手にメッセージが伝わります。
相手に共感する
共感は、他の人の目を通して世界を見る能力です。そうすることで、相手の考えや気持ちを理解することができます。
メールを書くときは、読む人の立場に立って考えてみましょう。
この文章を読む人として、自分ならどう解釈するだろうか?
自分が受け取ったら、どう感じるだろう?
相手や相手の仕事について何かポジティブなことが言えるのであれば、メールに記載してみましょう。簡潔で適切な褒め言葉を不快に思う人はいないでしょう。
相手が何らかの形であなたを助けてくれた場合は、感謝の言葉を忘れずに伝えましょう。
センテンスは5つまで
良いメールは十分な長さを持ってポイントを説明していますが、必要以上のことは書かれていません。メールのセンテンスは5つまで、というルールを試してみましょう。
ほとんどの場合、センテンスが5つあれば十分に内容を説明できます。
このルールによって、最初は文書を短くすることに時間がかかるかもしれませんが、慣れてくればメールを作る時間も削減できるようになります。何より相手の貴重な時間をセーブできます。
標準的な構成を守る
メールの長さを短く保つコツは、英文メールの標準的な構成を守ることです。通常、英文メールは以下のような構成になっています。
Greeting(挨拶)
挨拶は“Hi John”などが一般的です。
フォーマル・インフォーマルのスタイルによっても変わります。
Compliment(お礼や褒め言葉)
導入部分はお礼や褒め言葉が良いでしょう。
“I enjoyed your presentation about [topic] on [date].”
“I found your blog post on [topic] really helpful.”
“It was good to meet you at [event].”
“Thank you for [doing xyz]”
また、よく知っていて時々メールを交わす人には
“I hope you’re well.”
“I hope things are going well.”
なども簡潔な導入言葉で良いでしょう。
Reason(メールの理由)
“I’m emailing to ask about…”
“I wondered if you could help with…”
“I am following up with you on XXX we discussed last week…”
Call to action(アクション)
なぜメールしたかの後は相手に何をして欲しいかを書きます。
“Could you send me those files by next Monday?”
“Could you draft XXX in the next two weeks?”
“Please respond to John about this, and let me know when it is done.”
Closing(終わり)
“Thank you for all your help with this.”
“Does that sound OK for you?”
“I’m looking forward to hearing from you.”
“Let me know if you have any questions and/or concerns.”
Sign off(結び)
終わりのフレーズの後、以下のような言葉と自分のファーストネームを入れてSign-off(結び)とします。
“Best Wishes,”
“Kind Regards,”
“All the Best,”
“Thanks.”
メールの失敗を防ぐ方法
英文のビジネスメールを作成する際、以下の4つに気をつけると失敗を防ぐことができます。
急がない 急いでいるメールは、フォーマットや記述が不適切でスペルミスも生じます。適切にフォーマットするのに十分な時間をとってください。
感情を避ける あなたが動揺しているときにメールを送信することは決して良い考えではありません。落ち着くまで待ちましょう。
簡潔にする 短い文と短い段落を使用します。必要に応じて、箇条書きまたは番号付きリストを使用します。
レビューする タイプミス、文法の間違い、その他のエラーがないか送る前にメールを再確認するクセを付けましょう。
まとめ
和文であれ英文であれ電子メールのルールはそれほど変わりません。
英文の場合、受信者に合わせてフォーマルかインフォーマルかメールのスタイルを選択し、それにフォーマットや文章のトーンを変化させましょう。
最近では、インフォーマルのスタイルが好まれる傾向がありますが、わからない場合にはフォーマルで相手の反応を見ましょう。
スタイルに限らず、ビジネスにおける英文メールの構成には一定のルールがあります。必ず構成のルールに従って相手に良いインパクトを与えるメールを心がけましょう。
また、メールで失敗しないように、必要なメールを簡潔に書いて、時間を取って見直しましょう。ポイントを押さえた良い英文メールはあなたの評価を上げることでしょう。